2017年12月16日土曜日

話してくれてありがとう

ある日、高校生の男の子が訪ねてきました。無邪気に友達と遊んでいた中学生の頃と違って、高校の制服がしっかり身体に馴染んで…言葉ひとつひとつが頼もしくなっている。時が経つのを忘れそうになるくらい懐かしい思いで話に花が咲きました。

『ところで…どうした?何かあった?』
そう聞くと…今まで誰にも言えない自分の思いが溢れてきたようでした。

『よく訪ねて来てくれたね。話してくれてありがとう』
私は、心からそう言いました。

成長とともに自分のまわりが、今までと違って見えてくることはきっとある。それが新鮮に思えたり、不安になったり…。その思いを誰かに話すことには、きっと勇気がいったことでしょう。

親に話したくても話せないのが思春期の子ども達。『親以外に話せる大人は、自分のまわりに必ずいるから…。見つけてほしい』
子ども達にいつも伝えてきた言葉です。

『頑張れ!ずっとこれからも変わらず応援してるよ』私は、心の中でそう呟きながら…笑顔で男の子を見送りました。